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エコキュートの自動お湯はりが止まらない・出ない・遅い
症状別の原因と対処

自動お湯はりでお湯がたまっていく浴槽

「自動お湯はりが止まらず溢れる」「ボタンを押してもお湯が出ない」「お湯はりが遅い」——お風呂まわりのトラブルも、現場でよくいただく相談です。症状ごとに原因と、自分で確認できること/メーカーを呼ぶ線引きを、正直にお伝えします。

私は大手メーカーのエコキュート修理を11年続けている修理職人です。まず、多くの不調に関わる「仕組み」から説明します。

前提:フルオートは浴槽の湯量を「学習・計測」している

追い焚きや自動保温ができるフルオートのエコキュートは、お湯はりの際にお湯を送りながらポンプを作動させ、浴槽内の湯量をデータとして確認しています。「今どのくらい入っているか」を機械が測りながら、設定量で止めているわけです。

ここが多くのトラブルのカギ 機械は循環口の高さや浴槽の形を基準に湯量を判断しています。だから、この基準の認識がずれると、量がおかしくなる——「止まらない・溢れる」「設定量まで入らない」の多くは、ここに原因があります。

もう少し詳しく言うと、機械はお湯を出しながらポンプで吸い上げ、「水位センサー」という部品で浴槽のどのあたりまでお湯があるかを確認しています。そして設定した湯量・湯温に達すると、「お風呂が沸きました」とアナウンスが鳴る仕組みです。なお、残り湯が残っている状態でお湯はりをしても問題ありません。残り湯の分も含めて測ってくれるので、わざわざ抜く必要はありません。

症状①:お湯はりが止まらない・溢れる

まず確認してほしいのは、設定した湯量が、浴槽の容量を超えていないかです。単純に設定が多すぎるだけ、ということもあります。

設定が適切なのに溢れる場合、多いのが「認識のズレ」です。お湯はり中(沸き上げ中・点滅中)に入浴したり、浴槽の中に物を入れて自動運転をしたりすると、浴槽の形や循環口の高さの認識がどんどんずれていきます。その結果、設定量まで入らなかったり、逆に溢れてしまったりするのです。

やってはいけない:お湯はり中に入る・物を入れる お湯はり中は、機械が湯量を測っている最中です。点滅中に入浴したり、浴槽に物を入れたりしないでください。認識がずれる原因になります。症状が悪化していく場合は、メーカーにすぐ連絡を。
溢れて、ボタンでも止まらない緊急時 お湯はりが止まらず、ボタンを押しても止まらない——そんなときは、エコキュートの止水栓を閉めると止まるケースがあります(止水栓の場所と閉め方は 給水バルブの止め方 を参照)。または、エコキュートのタンク本体のブレーカーを落とすと止まる可能性があるので、試してみてください。

症状②:ボタンを押してもお湯が出てこない

お湯はりボタンを押しても、そもそもお湯が出てこない場合。考えられるのは主に2つです。

電磁弁などの内部部品は、お客様側で直せるものではありません。そして、この状態をそのまま置いておくとエラーが出るケースが多いです。エラー番号を控えて、メーカーに連絡してください(エラーが出たときの動き方は エラーコードが出たら に)。

症状③:お湯はりが遅い・時間がかかる

お湯はり自体はできるが、やたら時間がかかる場合。考えられるのは、配管の詰まりや、減圧弁・電磁弁にゴミが詰まっている可能性です。

ただ、その前にお客様自身でチェックできる場所があります。それが浴槽の循環口(お風呂の壁についている金具)のフィルターです。ここに髪の毛やゴミが詰まっていると、お湯の出入りが悪くなって時間がかかります。

まず自分でチェック → なければメーカー 循環口のフィルターを外して、髪の毛・ゴミ・ぬめりがないか確認してください。詰まっていれば掃除するだけで改善することがあります。汚れや詰まりがないのに遅い場合は、配管や弁の詰まりが疑われるので、メーカーに相談を。配管の洗浄については 追い焚き配管の洗浄 もどうぞ。

切り分けのヒント:給湯とお風呂は「別の回路」

原因を絞り込むときに知っておくと便利なのが、お風呂(お湯はり・追い焚き)と、シャワーや蛇口の給湯は、別の回路で動いているということです。だから——

つまり「お風呂は沸かないのにシャワーは普通に出る」なら、不調はお風呂側の回路に絞り込めます。ただし、タンク自体にお湯がたまらない不調の場合は、そもそもお湯全体が使えません。これは沸き上げ系統やタンク側の問題なので、メーカーに連絡してください(お湯自体が出ないときは お湯が出ない・ぬるいの切り分け も)。

追い焚きが「遅い・ぬるい」ときは、残湯不足かも

追い焚きは、浴槽のお湯をポンプで吸い上げ、タンクの熱いお湯があるところを通して温め直し、お風呂に戻す仕組みです。つまりタンクにしっかり熱いお湯がある前提の機能。ですから、残湯量のメモリが少ないと、なかなか熱くならなかったり、追い焚きにすごく時間がかかったりすることがあります。

この場合は故障ではなく、お湯(熱量)が足りていないだけのことも多いです。残湯量の見方や、しっかり沸かすための設定はこちらに。→ 残湯量が減る・満タンにならない?設定温度・沸き上げ設定湯切れの原因は「学習機能」

節約のコツ:冷め切った残り湯は「追い焚き」より「入れ替え」 前日の冷め切った残り湯を追い焚きで温め直すと、タンクの中の熱量をかなり使ってしまいます。光熱費のことを考えると、一度お湯を捨てて、お湯はりをし直すほうが効率的なことが多いです。冷めた水をイチから温めるより、貯めてある熱いお湯で新しく張るほうが、結果的にムダが少なくなります(電気代の考え方は 電気代は月いくら?損しない使い方 に)。

まとめ:自分でできること/メーカーを呼ぶ線引き

迷ったときの目安です。

内部部品の修理になると、使用年数によっては買い替えと比べたほうがよいこともあります。判断の目安はこちらに。→ 修理か交換か?判断基準と修理費の相場

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よくある質問

お湯はり中に、先にお風呂に入ってもいいですか?
おすすめしません。フルオートはお湯はり中に浴槽の湯量を測っています。点滅中(お湯はり中)に入浴したり浴槽に物を入れたりすると、循環口の高さや浴槽形状の認識がずれて、設定量まで入らない・溢れるといった不調の原因になります。お湯はりが終わってから入ってください。
溢れて止まらないとき、すぐ止めるには?
ボタンで止まらない場合は、エコキュートの止水栓を閉めると止まるケースがあります。それでも止まらなければ、エコキュートのタンク本体のブレーカーを落としてみてください。落ち着いたら、症状をメーカーに伝えて点検してもらいましょう。
循環口のフィルターは、どのくらいの頻度で掃除すればいい?
明確な決まりはありませんが、髪の毛やゴミが溜まりやすい場所なので、月に1〜2回を目安に外して洗うと、お湯はりや追い焚きの不調を防げます。入浴剤を使う家庭は、あわせて配管の洗浄も習慣にすると安心です。
残り湯を抜かずに、自動お湯はりをしても大丈夫ですか?
問題ありません。エコキュートは水位センサーで浴槽のお湯の量を測りながらお湯はりをするので、残り湯があってもその分を含めて設定量に調整してくれます。わざわざ抜く必要はありません。
お風呂は沸かないのに、シャワーは普通に出ます。
お風呂(お湯はり・追い焚き)と給湯は別の回路のため、お風呂側だけが不調ということがあります。シャワーが出るならタンクにお湯はある状態なので、お風呂側の部品(電磁弁・ポンプなど)が疑われます。症状とエラー番号を控えてメーカーに相談してください。
管理人(エコキュートの修理屋)
管理人(エコキュートの修理屋・11年目)

大手メーカーのエコキュート修理・メンテナンス一筋11年、修理対応は年間1,000件以上。第二種電気工事士の資格を持ち、電気工事の面からも設置や配線を見ています。現役でメーカーからの依頼を受けて修理に伺っているため、名前とメーカー名は伏せています。1社の専門なので、他社の料金体系を断定することはしません。症状や操作は機種で異なるため、実際の対処は必ずお使いの取扱説明書とメーカーの案内に従ってください。