エコキュートにして「後悔した」人・「良かった」人の本音
買う前に知るべきデメリット
修理でいろんなお宅に伺うと、「エコキュートにして後悔した」という声も、「エコキュートにして良かった」という声も、どちらも聞きます。私は売る立場ではないので、両方を正直にお伝えできます。
私は大手メーカーのエコキュート修理を11年続けている修理職人です。これから導入・買い替えを検討する方が「こんなはずじゃなかった」とならないように、現場で実際に聞く後悔・良かったの本音と、買う前に知っておくべきデメリットをまとめます。
一番多い後悔は「そんなに早く壊れるなら…」
後悔として一番多く聞くのは、これです。
寿命の「説明」と「現実」のギャップ
ハウスメーカーや工務店から「15〜20年は持ちますよ」と説明を受けて導入したのに、実際には13〜15年ほどで買い替えの時期が来てしまう——。すると「そんなに早く壊れるなら、エコキュートにしなかったのに」という言葉が出てきます。
これは製品が特別に悪いというより、販売時の寿命の伝え方と、現実の買い替えサイクルにズレがあることが原因です。最初から「13〜15年前後で買い替えが来るもの」と分かっていれば、心の準備も資金の準備もできます。寿命の考え方と「13年の壁」は、こちらで詳しく解説しています。→ エコキュートの寿命は何年?壊れる前のサインと「13年の壁」
意外な後悔は「設置場所」——交換費用が跳ね上がる
もう一つ、見落とされがちな後悔が設置場所です。これはお客様の責任ではないのですが、知っておいてほしい話です。
エコキュートは、15年前後で必ず「買い替えの工事」が必要になる設備です。ところが、家の側面の狭いスペースなどに設置されていると、いざ買い替えのときに古い機械を取り出せない・新しい機械を入れられないことがあります。
「置けた」だけでなく「15年後に交換できるか」
狭い場所に無理に設置されていると、交換時にクレーンで吊り上げるなどの特殊作業が必要になり、通常の交換費用に特殊工事費が上乗せされてしまいます。新築や設置のときに「15年後、この場所で交換できるか」まで考えて設計してもらえると理想的です(さまざまな事情があるのも理解しています)。工事の質の見極めは どこで買うのが正解? で触れています。
デメリットも正直に——本体価格と「相性」
良い面だけでなく、デメリットもはっきり書きます。
- 本体価格はガス給湯器の方が安い傾向——本体だけの価格で比べると、エコキュートよりガス給湯器の方が安いことが多いです。エコキュートは毎月の光熱費で、その差を取り戻していく設備です(→ ガスとエコキュートの正直比較)。
- お湯の使用量が極端に少ない家は要注意——使うお湯が少ないと、毎月の光熱費で本体価格の差を回収しきれず、ガス給湯器の方が安く収まることもあります。ただし、これは地域のガス料金にもよるので一概には言えません(光熱費の考え方は 電気代の記事 も参考に)。
- 設置スペースが狭い家——市街地などで、本体(貯湯タンク)と室外機を置くスペースが十分に取れない家は、あまり向いていないかもしれません。設置環境が狭すぎると、室外機の前後の風の通り道が確保できない・配管が折れ曲がるなど、機械にとって良くない設置になってしまう可能性があります。
逆に「エコキュートにして良かった」と言われること
もちろん、良かったという声もたくさんあります。
- 電気温水器からの買い替えで光熱費が大きく下がった——もともと電気温水器を使っていた方がエコキュートに替えると、月の光熱費がかなり安く収まったというケースはよく聞きます。→ 電気温水器からの買い替えはアリ?
- オール電化でガスの基本料金が不要になった——地域にもよりますが、ガスをやめることでガスの基本料金がかからなくなり、光熱費が安く収まることがあります。
- 火を使わない安心感——特に高齢のご家庭で、火事のリスクがないことを何より安心だと言っていただけます。
後悔しないために、買う前のチェック
- 寿命は「13〜15年前後」で見ておく——「15〜20年」を鵜呑みにせず、買い替えの時期と資金を織り込んでおく
- 15年後に交換できる設置場所か——将来の取り出し・搬入まで考えた場所か
- 使うお湯の量に見合うか——極端に少ないなら、ガス給湯器との比較も
- スペースと風の通り道が確保できるか——室外機まわりに余裕があるか
よくある質問
「15〜20年持つ」と言われましたが、本当ですか?
実際には13〜15年ほどで買い替えの時期が来ることが多いです。使い方や設置環境、部品の供給状況によっても変わります。最初から「13〜15年前後」と見ておくと、後で「早すぎる」と感じずに済みます。詳しくは寿命の記事を。
今からでもガス給湯器に戻した方がいいですか?
一概には言えません。すでにオール電化にしている場合、ガスに戻すには配管や設備の工事が別途必要で、費用も手間もかかります。お湯の使用量・地域のガス料金・設置環境を踏まえて、次の買い替えのタイミングで落ち着いて比較するのがおすすめです。
