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停電・断水のとき、エコキュートはどこまで使える?
災害時の使い方を修理屋が解説

停電時のテーブルに置かれた懐中電灯と水のポリタンク

災害への備えを考えるとき、意外と知られていないことがあります。エコキュートは、実は災害にわりと強い給湯器だということです。

私は大手メーカーのエコキュート修理を11年続けている修理職人です。停電・断水のときにエコキュートで何ができるのか、現場でお客様にお伝えしている内容をまとめます。

断水のとき:タンクの水が「非常用の水」になる

エコキュート最大の防災メリット エコキュートはタンクに水(お湯)を溜めている給湯器です。だから断水しても、タンクの下部から水を取り出して、生活用水として使うことができます。370Lタンクなら、それだけの水がご自宅に常備されているのと同じことです。

取り出し方(非常用の取水栓の位置・操作)は機種ごとに違うので、災害が起こる前に、一度取扱説明書で確認しておいてください。いざという時に説明書を探すのは大変です。

取り出す時のやけどに注意 タンクの中は上が熱く下が水、と温度の層ができています。下部から取り出す最初は水のことが多いのですが、大量に排水していくと徐々に熱いお湯が出てくる可能性があります。停電・断水から1〜2日経てば高温は保てないためやけどの可能性は低くなりますが、ゼロではありません。取り出しは少しずつ、温度を確かめながら行ってください。
注意:飲み水としては扱いに注意 タンクから取り出した水は、トイレ・洗い物などの生活用水として使うのが基本です。飲用は推奨されていないことが多いため、取扱説明書の指示に従ってください。

停電のとき:お湯が出るケースがあります

「電気が止まったら、お湯も終わりでしょう?」と思われがちですが、実はそうとも限りません。

最近の機種では、給湯温度を調整する部品が形状記憶タイプになっていることが多く、停電中でもタンクの熱いお湯と水を混ぜ合わせて出せるケースがあります。その場合、タンクの中のお湯がなくなるまでは、お湯が使えます。

ただし注意点があります。停電中は温度調節の部品に電気が入っていないため、停電した時点の設定の割合でしか温度を調整できません。場合によっては、設定より高い温度のお湯が出てくる可能性があります。停電中にお湯を使うときは、必ず手で温度を確かめてから使ってください。とくにお子さんには注意を。

もちろん、新たにお湯を沸かす(沸き上げ)には電気が必要なので、タンクのお湯を使い切ったら終わりです。それでも「停電直後にお風呂に入れる・体を拭くお湯がある」のは、災害時には大きな安心です。※対応は機種によるので、お使いの機種の取扱説明書で確認してください。

オール電化は「火を使わない」という防災力

もうひとつ、現場でお伝えしていることがあります。オール電化のご自宅は火を使わないため、火災になりにくい——これもエコキュート(オール電化)のメリットです。地震の際の火元の心配が一つ減ることは、数字に表れにくいですが確かな安心材料です。防災の観点でのガスとの比較は、ガス給湯器とエコキュートの正直比較にまとめています。

災害前にやっておく3つ

  1. 非常用の取水栓の位置と操作方法を取扱説明書で確認しておく
  2. 停電時にお湯が出るタイプかどうかを確認しておく
  3. 家族にも「断水したらエコキュートに水がある」と共有しておく
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停電に「もっと強く」したいなら:太陽光+蓄電池

ここまでは「今あるエコキュートで停電・断水をどうしのぐか」の話でした。もう一歩進んで停電中も電気を使える暮らしにしたいなら、太陽光発電+蓄電池という選択があります。昼は太陽光で発電し、余った電気を蓄電池に貯めておけば、停電しても照明・冷蔵庫などを動かせます。ふだんは電気代の削減にもつながり、オール電化の防災力がさらに上がります。

ただし太陽光・蓄電池は、屋根や地域の条件で向き不向きがあり、業者による価格差も大きい設備です。導入するなら、複数社の無料一括見積もりで「うちの家だと得か・停電時にどこまで使えるか」から確かめてください。詳しくはエコキュートに太陽光・蓄電池は得?にまとめています。

修理屋としてのおすすめ

災害への備えとしての結論は、タンクの水=断水時の生活用水は、エコキュートの一番の強みだということです。停電・断水時の操作はこの記事の手順をブックマークしておけば十分。これから買い替える方は、見積もり時に「停電時・断水時にお湯(水)を取り出せる機種か」を確認しておくと、この強みを最大限使えます。

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停電や雷のあと、電気が戻ってもリモコンが真っ暗なままのときは → 漏電遮断器の確認と、上げていい回数

よくある質問

タンクの水はどれくらいの期間もちますか?
タンク内の水は日々入れ替わっているので「溜め置きの古い水」ではありませんが、断水が長引く場合の使い方や水質については取扱説明書と自治体の給水情報に従ってください。
災害で本体が倒れたり壊れたりしたら?
無理に自分で起こしたり配線に触れたりせず、メーカーへ連絡を。地震・台風等の自然災害による故障は、火災保険の補償対象になる場合があるので、保険会社にも確認してください。転倒防止は設置時のアンカー固定が重要です(→ 工事の質の話)。
管理人(エコキュートの修理屋)
管理人(エコキュートの修理屋・11年目)

大手メーカーのエコキュート修理・メンテナンス一筋11年、修理対応は年間1,000件以上。第二種電気工事士の資格を持ち、電気工事の面からも設置や配線を見ています。現役でメーカーからの依頼を受けて修理に伺っているため、名前とメーカー名は伏せています。1社の専門なので、他社の料金体系を断定することはしません。書けるのは、毎日現場でお客様にお伝えしていることだけ。それをそのまま書きます。