エコキュートは引っ越し先に持っていける?
移設の注意点
「まだ新しいエコキュートだから、引っ越し先に持っていきたい」——そんなご相談もあります。結論から言うと、持っていくことはできます。ただし、いくつか注意点があります。
私は大手メーカーのエコキュート修理を11年続けている修理職人です。移設の流れと、気をつけてほしいことをお伝えします。
持っていくことは「できます」——ただし工事が必要
引っ越しの際に、エコキュートを次のお家に持っていくことは可能です。ただし、ご自身で運んで設置すればいい、という話ではありません。
現場の実感:移設の依頼は、実はほとんどありません
先に、現場の実態をお伝えします。修理で年間1,000件以上のお宅に伺っていますが、移設の依頼はほとんど見かけません。それには理由があります。
- 同じ家の中で置き場所を変える場合でも——タンクを載せる基礎(土台)をやり直し、配管も引っ張り直す必要があります。かなりの労力と費用がかかる工事です
- 引っ越し先へ持っていく場合は——それに加えて運送中に傷がつくリスクもあります
「できるか・できないか」で言えばできます。ただ、やる価値があるかは別の話——というのが現場の感覚です。
- 設置場所が狭く、冷風が当たって凍結してしまう(→ 凍結の対処と予防)
- 隣の家と近く、作動音が迷惑をかけてしまっている(→ 室外機の音・異音の対処)
「移設」より「買い替え」が得なこともあります
ここは正直にお伝えします。移設にも、取り外し・運搬・再設置の工事費がかかります。そのため、今の機械が古い場合は注意が必要です。
エコキュートの寿命は13〜15年前後です。たとえば10年以上使っている機械を、費用をかけて移設しても、数年で買い替えの時期が来てしまう——ということが起こり得ます。それなら、引っ越し先に新しい機械を最初から設置したほうが安く収まり、無駄な費用をかけずに済む可能性が十分あります。移設費用と、買い替え費用(補助金も含めて)を両方見積もって比べるのが、後悔しないコツです。→ 寿命の記事/補助金の記事
移設できない・断られることがあるケース
移設は「頼めば必ずできる」わけではありません。現場の感覚では、次のようなケースは業者側から断られたり、やめておいたほうがいいと案内されたりします。
- 年式が古く、部品供給が終わりかけている機種——移設の途中で不具合が出ても直せない可能性があるためです(→ 寿命と「13年の壁」)
- タンクや配管の劣化が進んでいる——動かした拍子に水漏れなどが出るリスクがあります
- 引っ越し先に設置条件が揃わない——タンクを置くスペースや基礎、搬入経路が確保できない場合
- 引っ越し先の気候に仕様が合わない——エコキュートには寒冷地仕様などの区分があり、仕様が合わない地域には持っていけません
頼み先について一つだけ。移設は「取り外し→運搬→再設置」の工程がありますが、引っ越し業者がやってくれるのは運搬までで、配管や電気の接続はしません。取り外しから再設置まで一括で請けてくれる設備業者にまとめて頼むのが、トラブルが少ない形です(→ 業者の種類と料金の決まり方)。
賃貸・売却のときは「誰のものか」を確認
賃貸住宅でご自身が設置したものなら、退去時の原状回復の扱いを、持ち家を売却するなら、エコキュートを残していくのか外すのかを、契約や相手方と事前に確認しておきましょう。ここは物件やケースによって大きく変わるので、不動産会社や設備業者に相談してください。
移設は「できるか」より「やる価値があるか」で考えてください。私のおすすめは、移設の工事費と、引っ越し先に新設する費用(補助金込み)を必ず両方見積もって比べること。特に10年近く使った機械なら、新設のほうが安く収まるケースが現実に多いです。下の無料一括見積もりは移設の相談にも使えます。
※見積もりは無料です。移設の可否や費用感も相談できます。