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エコキュートの訪問販売・無料点検にご注意
修理屋が教える手口と対処法

住宅の玄関先でインターホンを押す作業服の訪問営業の後ろ姿

「ご近所で工事をしていまして、無料でエコキュートを点検しますよ」——こんな訪問や電話を受けたことはありませんか。

私は大手メーカーのエコキュート修理を11年続けている現役の修理職人です。この仕事をしていると、訪問販売のあとに呼ばれる場面が実際にあります。この記事では、現場で見てきた訪問販売の典型的な流れと、損をしないための対処法を書きます。

この記事の結論 メーカーは基本的に「無料点検」をしていません。無料点検の訪問・電話は、基本的に販売業者の営業です。何か言われても、その場で決めずに、まずメーカーへ連絡して症状を確認してもらってください。

よくある流れ:無料点検から買い替えの提案へ

訪問販売でよくあるのは、こんな流れです。

  1. 「無料で点検します」と訪問・電話がある
  2. 点検のあと、「そろそろ故障しますよ」「配管がかなり劣化していますね」といった説明を受ける
  3. 不安になったところで、買い替えを提案される

ですが、実際にお客様がメーカーに連絡をして私たちが伺うと、簡単な修理で終わるケースもあります。「そろそろ壊れる」と言われた機械が、まだ十分に使えることもあるのです。

ひとつ、フェアに言っておきたいことがあります。販売業者さんは販売の営業をするのが仕事なので、そのこと自体を責めるつもりはありません。ただ、受け手側としては、「この説明は、どういう立場の人が、どういう意図で言っているのか」を汲み取る必要があります。売る側の説明は、売るための説明でもあるからです。

見分け方はシンプル:「無料点検」はメーカーではない

覚えておいてほしい一点 メーカーは基本的に、無料点検の訪問や電話をしていません。「10年経ったので点検しませんか」といったご案内は、メーカーからは来ません。基本的な点検には必ず料金がかかるからです。※例外はリコール(無償点検・改修のお知らせ)で、この場合は無料で伺うこともありますが、突然の飛び込みではなく正式な案内があります。

現場でもよく聞かれます。「先日『給湯器の方』という業者さんが来たんですけど、メーカーさんですか?」——「給湯器の方です」という名乗りは、メーカーなのか販売店なのか分からない、絶妙にあいまいな言い方です。この区別がついていない方が多いのが現状で、そこを突かれています。迷ったら、機械や取扱説明書に記載されているメーカー窓口へ直接確認するのが確実です。

近年、給湯器や住宅設備の点検商法に関する相談は消費生活センターへ多く寄せられており、自治体や警察も注意喚起をしています。狙われやすいのは高齢の方です。離れて暮らすご両親がいる方は、この見分け方を一言伝えておいてあげてください。

言われたときの正しい対処法

  1. その場で契約しない。「家族と相談します」で十分です
  2. まずメーカーに連絡して、症状を確認してもらう。本当に故障が近いのか、修理で済むのか、概算費用つきで分かります(修理か交換かの判断基準はこちら)
  3. 本当に買い替えが必要な状態なら、1社の見積もりで決めず、必ず複数社を比較する。訪問販売の見積もりが適正かどうかは、比べて初めて分かります
修理屋としてのおすすめ

結論ははっきりしています。訪問販売の場では契約しない。「今日だけ」「このままだと危険」は、考える時間を奪うための言葉です。本当に交換を検討したいなら、その業者を断ったうえで、自分のペースで複数社の見積もりを取ってください。それで妥当な話だったかどうかも分かります。

訪問販売で買い替えを勧められたら
その見積もりが適正価格かどうかは、比べて初めて分かります。無料の一括見積もりで複数社を比較してから決めても、遅くありません。
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※見積もりは無料です。訪問販売の金額と比べる材料としてお使いください。

もし契約してしまったら:クーリング・オフ

訪問販売で契約した場合、契約書面を受け取った日から8日以内であれば、クーリング・オフ(無条件解約)ができるのが原則です。「もう工事日が決まっているから」と言われても、あきらめないでください。

手続きに不安がある場合は、消費者ホットライン「188(いやや)」に電話すると、最寄りの消費生活センターにつながります。

もうひとつのリスク:買った後に業者がいなくなる

これも現場でよくある話なので書いておきます。訪問販売でエコキュートを購入したあと、その業者が倒産して、連絡先も買い替えの相談先もなくなってしまった——というケースです。

エコキュートは10年以上使う設備です。設置して終わりではなく、その後の点検・修理・買い替え相談まで含めた付き合いになります。「今この場の価格」だけでなく、10年後もその会社に連絡がつくかという視点も持ってください(→ アフターの安心まで含めた買い替え先の選び方)。

修理屋としての本音

訪問販売がすべて悪だとは言いません。中には適正な価格で丁寧な工事をする業者さんもいます。問題は、不安をきっかけに、比較しないままその場で決めてしまうことです。

エコキュートは高い買い物です。「そろそろ壊れます」と言われて不安になったら、まずメーカーに症状を見てもらう。買い替えるなら複数社を比べる。この2つを守るだけで、後悔する買い方はほぼ防げます。

「火災保険で無料修理できます」と勧誘された方は、こちらも読んでください。→ 故障に火災保険は使える?公的機関が注意喚起する手口

よくある質問

「メーカーと提携しています」と言われました。信じていい?
その言葉だけで判断せず、機械に貼ってあるメーカーの連絡先(取扱説明書やリモコン周辺に記載)へ直接連絡して確認してください。
点検してもらったら本当に故障と言われた。どうすれば?
故障自体は本当の場合もあります。その場で契約せず、メーカーに症状を伝えて概算を聞き、修理か交換かの判断基準に当てはめてから決めてください。
高齢の親が狙われないか心配です。
「無料点検はメーカーではない」「その場で契約しない」の2つだけ伝えておいてください。契約してしまった場合も8日以内ならクーリング・オフができます(相談は188へ)。
管理人(エコキュートの修理屋)
管理人(エコキュートの修理屋・11年目)

大手メーカーのエコキュート修理・メンテナンス一筋11年、修理対応は年間1,000件以上。第二種電気工事士の資格を持ち、電気工事の面からも設置や配線を見ています。現役でメーカーからの依頼を受けて修理に伺っているため、名前とメーカー名は伏せています。1社の専門なので、他社の料金体系を断定することはしません。書けるのは、毎日現場でお客様にお伝えしていることだけ。それをそのまま書きます。